家族・親族に頼る「身元保証」に限界
2021年10月12日
わが国では、施設等への入居、病院の入院など様々な生活の局面において、「身元引受人」や「保証人」(省略して「身元保証人」という。)が求められ、家族がそれを担うことが一般的となっています。しかしながら、少子化や家族関係の希薄化が進展するなか、子や兄弟姉妹、親戚を頼ることのできない高齢者が増加しており、身元保証人を確保できない場合が多くなっています。
頼ることができない身寄りのない高齢者が増加。
わが国では、少子化や晩婚・非婚化、および核家族化を背景に、単身や夫婦のみといった高齢者だけで構成される高齢者世帯が増加しています。
2015 年の高齢者世帯は1,201万世帯と、すでにわが国の5 世帯に1 世帯を占め、加えて家族関係の希薄化と相まって、たとえ子どもがいてもいざという時に頼れない、あるいは頼らない世帯も増加し、こうした高齢者世帯は、数百万規模に達している可能性が高くなっています。
2040 年には高齢者世帯の半数が「身元保証人」を確保できない。
今後についても、身内から身元保証人を確保できない世帯は増加する見込み。高齢者世帯は、2025年に1,427 万世帯、2040 年にはわが国全体の3 割に当たる1,583 万世帯に増加。
このうち、子のない世帯は2040 年には高齢者世帯全体の3 分の1に当たる516 万世帯に。加えて、保証する側の経済的・精神的負担への配慮から、あえて身内に身元保証人を依頼しない高齢者も増加することが見込まれ、2040 年には、高齢者世帯の過半数で、身内による身元保証人の確保が困難になる恐れがあります。