お墓の跡継ぎがいない

2020年08月27日

少子化に伴って、お墓の後継ぎの問題を抱える方が増えてきました。お墓を建てても、自分が亡くなった後に墓を守っていく人がいなければ、せっかく建てたお墓が無縁になってしまいます。多くの墓地では、そのようなお墓は、管理者の規定の年数を過ぎると、撤去処分されてしまいます。

子供がいない方は、そうした不安が大きいと思いますが、子供はいるものの娘ひとり、嫁いだ後にまで自分たちのお墓のことで心労や経済的な負担をかけたくないと考える方も少なくありません。また、子供や孫にまでそうした負担をかけたくないとお考えの方も数多くいらっしゃいます。

しかし、最近ではお墓の後継が承いなくてもご遺骨を無縁にしない、お墓が増えてきております。永代供養を目的とする墓です。「永代供養墓」と呼ばれています。

お墓参りできない人に代わって、あるいはお墓参りしてくれる人がいなくても、代わりにお寺が責任持って永代にわたって供養と管理をしてもらえるお墓のことです。

一般のお墓と永代供養墓の違いは、お寺が責任を持って永代にわたって供養と管理をしてくれるという点です。また、お墓の石代がかからないことから一般のお墓と比べて料金が安いという利点もあります。永代供養墓は、普通のお墓のように石を墓標としたものや樹木を墓標とした樹木墓、また建物の中でお遺骨を安置する納骨堂というのもあります。

永代供養墓には、納骨方法の違いで、合祀(ごうし)と言われる方法(最初から遺骨を骨壷から出して土に還す方法)と、ある一定期間(例えば3回忌~10回忌)まで、骨壺のままお骨を安置、その後合祀という形をとる方法があります。

納骨の方法によって料金は様々ですが、10万円から50万円ぐらいが平均で、過去の宗旨宗派は問わないところが多いようです、また、一度料金を支払えば、その後管理費、寄付金などの一切の費用が掛からないというところが多いようです。

少子化の世相を反映してか、永代供養墓を供養墓として選択される方が増えてきています。

その他、永代供養墓を選ばれた方の理由として、今あるお墓が遠方にあるため、近くに移したい、お墓の維持や管理が負担となっている、お墓にお金をかけたくない、などがあります。永代供養墓は、そうしたニ-ズにマッチした供養の形と言えます。